存在しない国「トレド国」から来た謎の男
1954年(昭和29年)7月、これは羽田空港で実際に起きた事件だそうです。
ヨーロッパからの飛行機で到着したある男性を羽田空港の管理官は入国拒否を決定しました。
男性の名前はジェナンスファー・バーホドリック。
白いスーツを着こなした白人のビジネスマンは日本語は勿論の事、
数か国語を流暢に話しました。
しかしこの男、不思議なことになんと1988年9月11日生まれの65歳。
つまり2053年の未来からやって来た事になるのです。
彼の生年月日の不思議は勿論の事、彼のパスポートを発行した国も 世界中を探しても存在しなかった為に入国管理官は入国を認めなかったのです。
そして彼はこう言いました。
私はヨーロッパのトレド国から来た、と。
深まる謎
続けて彼はこう言います。
「私はビジネスマンであり、国際的な企業の社員です。すでに10年に渡り日本と貿易を交わしており、今年だけでも3回目の日本出張です。もちろん宿泊先のホテルは予約してあるし、商談先の会社とも約束があるので確認すれば本当だとわかります。」
確かに彼が持っていたパスポートには以前、正規に入出国した事を証明するスタンプが押されていました。
しかし、彼が務めているはずの企業は確認出来ず 予約済みであるはずのホテルも存在していませんでした。
また彼が日本で会う予定の相手企業は実際に存在し、連絡が取れましたがその会社の担当者は
「その様な人物は知りません。なので、お会いする予定もありません。」
と答えました。
更に調べは続きます。
彼が所持品を確認すると以下の5品目になります。
①ヨーロッパ数か国の通貨が入った大きめのお財布
②国際免許証
③小切手(存在しない銀行)
④日本で宿泊予定のホテルの予約票
⑤日本やヨーロッパからの手紙
以上の点から確かに存在しない国の小切手や通貨があるものの、嘘やいたずらの為の小道具とは到底思えない位に精巧な品々もより一層彼の言動の信ぴょう性を高めます。
その後の足取りと謎の失踪
困り果てた入国管理官は世界地図を持って来て
「あなたが来たトレド国の場所を教えて下さい。」
と言うと 彼は激しく動揺しました。
自分の国が載っていない・・と。
入国審査は8時間におよび、彼の疲労も考慮し羽田空港に近いホテルに移動する事になります。
彼には2名の管理官がつき、用意されたホテルに向かいレストランで食事をした後にドア外に見張りの為2名の警備員がついた部屋で過ごす事になりました。
2名の警備員達は部屋のドア外に立ち、一晩中目を離す事はありませんでした。
翌朝、入国管理官達はノックに応答がない彼を心配し合鍵を使い部屋を確認します。
ところが 部屋からは彼自身も、彼の荷物も彼に関わるもの一切が消えていたのです。
その部屋は窓からの脱出は不可能であり、ドア外にも夜通し見張りがいたので逃亡出来るわけがありません。
消えた、と表現した方が正確でしょう。
そして消えたのは彼だけではありませんでした。
同時刻、羽田空港にも不思議な事が起こっていたのです。
彼を取り調べた記録の多くが、消え失せていたのです。
厳重に保管してあった彼のトレド国発行のパスポートや運転免許証までも。
日本政府関係者達は、突如消えた不思議な男の追跡捜査を行いますが、謎の多い男ということもあり
まるで最初から存在していなかったかのように足取りは全く掴めず 捜査は打ち切られてしまいました。
彼はタイムトラベラーだったのか?別の時間軸から来たのか?パラレルワールドに入り込んだのか。
この話は、1954年(昭和29年)の英字新聞ジャパンタイムズにもこの事件の記事が実際に残っているとのことです。
信じるも信じないも自己責任でお願いします。
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